今、2つの色で


「今日、担任に学級日誌任されたんだよね…だから居残りしなくちゃいけなくて。デートまた今度でいい?」


――またこういう言葉。


駿は自身の目にかかっていたサラサラとした黒髪を、手で軽く避けながらそう言った。


あたしは駿を見つめたまま、少しだけ唇を噛む。


駿はこう言うけど、他の女の子とデートに行くための口実に決まっている。


心の中には、不満が募る。


どうして伝わらないの?


どうして駿はあたしをそんなふうにできるの?

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