今、2つの色で
深まっていく謎を追求したいあたしの気持ちを分かってくれない逢坂は、余裕の表情であたしを見る。
「その3」
結局なにも答えてもらえなくて、あたしは流されるがままに逢坂のペースにはまってしまう。
呆れたように溜息を吐くと、逢坂の少しだけ低くなったような声が耳に飛び込んでくる。
「何故俺がお前に浮気しようと誘っているでしょうか」
気のせいかもしれないし、そうだとしてもどういう理由か分からないけど。
やっぱり少しだけ、声のトーンが低くなった。