愛しのカレはV(ヴィジュアル)系




「そっか!良かったじゃない!」

夕食後、バイトのことを早速さゆみに報告した。



「うん、まぁね…でも、シュバルツのライブまであんまり日がないし、どのくらい稼げるかなぁ…」

「あ、もし間に合わなかったら、私が貸してあげるよ。」

「そ、そうなの?」

さゆみって…意外とお金持ってるんだ。
普段からあんまり贅沢はしない子だけど、だからこそ、貯まるのかな。



「あ、そうそう。
この前のトイプー、今日、お客さんにもらわれて行ったよ。」

「そうなんだ。良かった~」

「それでね。そのお客さんが、あのマスコットすっごく良く出来てるってほめててね。
ただじゃなくて、売り物だったとしても買うって言ってたよ。」

「またまた~…」

なんか嬉しくて照れちゃうよね。



「でね…考えたんだけど…
私達、手芸が趣味じゃない?
だから、マスコットとか売ってみない?」

「え?そ、そんな…そんなのお客さんのお世辞だよ。
私達、素人だし、プロの人には敵うわけないし、それに売るったってどこで売るのよ。」

「あのね、今、ネットで手作りの品を売るサイトがあるんだって。
ネットに詳しくなくてもすぐに出来るらしいよ。」

「え~…それってお金かかるんじゃないの?」

「無料なんだって。
とにかく、明日一緒に見てみようよ。」

「う、うん…」
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