愛しのカレはV(ヴィジュアル)系




「今日はこのくらいしにしとこう。」

「うん、そうだね。」



私達は授業をそっちのけで手作り販売のサイトに登録した。
思ったよりも登録は簡単だった。
こういうことに不慣れな私達でもなんとか登録出来たもの。
あとは、品物の画像を撮って、その紹介文を書いて値段を設定するだけ。

とりあえず、そこまでで今日の作業は終了。
今日も、一応、藤堂さんの所に行くつもりだから。



「サイト、スマホでも見られるんだね。」

「すごいね。でも、私のスマホ、最近すぐに固まっちゃうんだよ。」

「私もだよ。
そういえば、こないだキラさんに撮ってもらった画像、私が撮ったのより綺麗だなぁって思ったんだ。
ほら、私の撮ったのはちょっと暗かったじゃない?」

あ、言われてみれば確かにすごくはっきりしてるのとちょっと暗いのがあった。



「うん、確かにそうだね。」

「この際、スマホも新しいのに変えようか?」

「えっ!?でも、壊れてないよ。」

「あのね…スマホって壊れなくても変えるんだよ。
どんどん性能が良くて使いやすいのが出てるからね。
あんた、そのスマホ、どのくらい使ってる?」

「え…?確か、高校卒業するちょっと前だから…」

「あ…じゃ、私と同じくらいだね。
キラさんのは今月出たやつなんだって。
なんか、見た目もすごく可愛かったよ。」

スマホのことなんてあんまり気にしたことなかったけど…そっか…やっぱり新しいのはなにかと使いやすいのかもしれないね。

私、おしゃれのことだけじゃなくて、いろんなことに疎かったのかもしれない。
使えたらそれで良いって思ってたし、ゲームとかSNSとかも全然興味なかったし、やってるのってLINEだけだもん。



(私って…やっぱりズレてるのかな…??)

< 111 / 366 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop