愛しのカレはV(ヴィジュアル)系
信じられないことが起きました。




「うわぁ…すっごく綺麗になったね。
ありがとう、望結ちゃん!なんだか新品みたいになったね。」

「いえ、そんな…」

今日は、事務所のミニキッチンを片付けた。
それほど使ってないってことだったけど、やっぱり換気扇周りには油がこびりついてたし、流しの下も散らかった印象だった。
だから、意外と時間はかかったけど、流しはピカピカになった。



「ねぇ、望結ちゃん。
バイト代のことだけど…日払いが良い?
それとも週払いにしようか?」

「え…っと。」

どうしよう?
そりゃあ、日払いだとありがたいけど、きっと面倒だよね。
それに、なにがなんでもその日にほしいってわけじゃなくて、服を買いに行く時に間に合えばありがたいって感じなんだけど…そんなこと、正直に言っても大丈夫なのかな?



「服はいつ買いに行くの?」

「えっ!?」

「香織さんに事情は聞いたよ。」

藤堂さんはそう言って微笑む。



「そ、そうなんですか…」

ママったらもう…!そんなこと、話さなくても良いのに…!
でも、知られてるならもう隠し立てはいらないな。
私はだいたいの予定を話した。



「わかった。じゃあ、そのあたりにまとめて払うってことで良いかな?」

「はい。」

「もちろん、交通費も払うからね。」

「あ、ありがとうございます。」

「僕も一度、瑠威君のライブを見に行きたいって思ってるんだけど、今度もちょうどタイミングが悪くてね。」

「そうなんですか…」
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