愛しのカレはV(ヴィジュアル)系
「じゃあ、サーカスナイト、行くぜ!」
リクさんがそう言うと、甲高い歓声が上がった。
速くてノリの良いイントロが流れ、まわりのみんなが飛び跳ね始めた。
私も、みんなと同じように飛び跳ねる。
なんか、楽しいよね、この連帯感。
床が揺れて、まるでアトラクションみたい。
サビになると、みんなが片手を上げて、同じふりを始めた。
ちょっぴり恥ずかしいけど、私も真似して同じようにやってみる。
ギターソロになると、リクさんがステージの際までやって来て、みんなをあおるから、ファンの子達が群がってさらにぎゅうぎゅう詰め。
その時…思いがけない悲劇が起きた。
「い、いたっ!」
不意に頭に痛みを感じた。
でも、一瞬のことでなんだかよくわからなかったけど、ステージ上で、メンバーが私の方を見て笑ってるような気がした。
(……なんだろう?)
その時、長い髪の毛が私の顔に当たって…
ふと見ると、隣の女の子の手に髪の毛の束が…
(……え?)
同時に、その子も気付いたようだった。
私の顔と自分の手元を見て見てびっくりしたような顔をした。
「あ!かつら!」
さゆみがあげた大きな声で私はすべてを理解した。
「きゃあーーーーー!」
そう…私の隣にいた女の子の指輪に、私のかつらがひっかかって、すっぽ抜けたんだ。
私は女の子の手からかつらをひったくると、慌ててその場から逃げ出した。
タイミング悪く、ちょうど曲が終わって、くすくすという笑い声が背中から聞こえた。
リクさんがそう言うと、甲高い歓声が上がった。
速くてノリの良いイントロが流れ、まわりのみんなが飛び跳ね始めた。
私も、みんなと同じように飛び跳ねる。
なんか、楽しいよね、この連帯感。
床が揺れて、まるでアトラクションみたい。
サビになると、みんなが片手を上げて、同じふりを始めた。
ちょっぴり恥ずかしいけど、私も真似して同じようにやってみる。
ギターソロになると、リクさんがステージの際までやって来て、みんなをあおるから、ファンの子達が群がってさらにぎゅうぎゅう詰め。
その時…思いがけない悲劇が起きた。
「い、いたっ!」
不意に頭に痛みを感じた。
でも、一瞬のことでなんだかよくわからなかったけど、ステージ上で、メンバーが私の方を見て笑ってるような気がした。
(……なんだろう?)
その時、長い髪の毛が私の顔に当たって…
ふと見ると、隣の女の子の手に髪の毛の束が…
(……え?)
同時に、その子も気付いたようだった。
私の顔と自分の手元を見て見てびっくりしたような顔をした。
「あ!かつら!」
さゆみがあげた大きな声で私はすべてを理解した。
「きゃあーーーーー!」
そう…私の隣にいた女の子の指輪に、私のかつらがひっかかって、すっぽ抜けたんだ。
私は女の子の手からかつらをひったくると、慌ててその場から逃げ出した。
タイミング悪く、ちょうど曲が終わって、くすくすという笑い声が背中から聞こえた。