愛しのカレはV(ヴィジュアル)系
『そしたら、日程やらはまた連絡するわな。
今日は遅くまでどうもありがとう~!』

『こちらこそ、どうもありがとうございました!』

名残惜しいけど…良く考えたらけっこう長い間やりとりしてたよね。
そういえば、キースさん…ごはんは食べたのかな?



(あ、私も……)



すっかり冷めてしまった食べかけのご飯を、私は慌ててかきこんだ。
ふと見れば、時計はもう11時を回ってた。
ママ達ももうそろそろ帰って来るだろうし、早く片付けなきゃ…!



(そうだ!さゆみに連絡しないと…!)



食器を洗ってる時に、ふと、そんなことを思い出した。
でも、ここをこのままにはしておけない。
早く片付けなきゃ…!



やっと片付いたと思ったら、玄関のチャイムが鳴って…



「はーい!」

「ただいま、遅くなってごめんね。」

なんだかすっごく機嫌の良い顔をした二人が帰って来た。
ひさしぶりのデート…きっとすっごく楽しかったんだろうな。



「望結、ケーキ買って来たぞ。」

夜中のケーキは太るからって言ってるのに、相変わらず、瑠威は良くケーキを買って来る。



「ありがとう。じゃあ、紅茶淹れるね。」

なんだかんだ言っても、結局は食べてしまうんだけど…
だって、生ものだし、長くは置いとけないから…っていうのはただの言い訳。
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