愛しのカレはV(ヴィジュアル)系




「どうもありがとうございました!」

結局、私はキースさんとリクさんに交互におんぶされて山を降りた。
前半はキースさん、後半はリクさんだ。
緊張してるはずなのに、何度も居眠りしそうになって、私はくっつきそうになる目蓋を懸命に開いてた。

でも、本当に申し訳ない。
普通の道でも、大人をおんぶするのは大変だろうに、山道ともなるとさらに大変だと思う。
あ~あ…私って、本当にダメ子だな…



駅に着いたら、お腹が減ったから何か食べて帰ろうかって話になって、私達は駅前のファミレスに入った。

朝はまだかなり緊張してたけど、やっぱり一日一緒にいると、なんか親しみを感じるっていうのか…
帰りは割りと打ち解けて話すことが出来た。
そういえば、リクさんもファミレスではよくしゃべってた。



(まさか、リクさんも緊張してたの?)



って、それはないよね。
私達みたいな普通の子達にリクさんが緊張なんてするわけない。
ただの気分屋なのかなぁ…??


それはともかく、二人にはすごく迷惑かけちゃったし、せめてここの食事代くらいは出させてもらおう。
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