愛しのカレはV(ヴィジュアル)系
「ごめんね、さゆみ…」

「ううん、あんたのせいじゃないことは私もわかってる。
それに…」

「どうかしたの?」

「……リクには女がいるかもしれない。」

「えっ!?」

私はびっくりして、さゆみを見た。



「あんたも見たよね?リクのお弁当…
あれはどう見ても、女が作ったお弁当だよ。」

「えっ!?」

確かにとても綺麗に作ってあったけど…そうなのかな?
本当に彼女さんがいるのかな…?



「でも、男の人でも料理うまい人っているよ。」

「リクはそういうタイプじゃないよ。
キースさんならまだわかるけど…」

「そ、そうかな…?
でも、さゆみ…もし本当にそうだったら…」

あきらめるしかないんじゃないの?
その言葉はさすがに言えなかったけど…



「私は何があっても諦めないよ。
彼女がいたって、頑張るよ!」

「そ、そうなの!?」

すごいよ、さゆみ。
私だったら、絶対にあきらめるけど…
でも、本当に大丈夫なのかな?
っていうか、本当に彼女さんが作ったのかな?
ちょっと気になる…



「直接じゃないとはいえ、連絡もできるようになったことだし、私、これから本気で頑張るよ!
璃愛も頑張りなよ!
絶対、あんたもキースさんをモノにするんだよ!」

「わ、私…そんな…」

「まだそんなこと言ってんの?」

「だって…私……」

「本当にあんたって子は…あのね…」

さゆみがなにかを言いかけた時、LINEの着信音が鳴った。



『ヅラ子の顔…((´∀`*))ヶラヶラ
お前、本当にすごいな!』



ガーン……
リクさんったら、私が気にしてることを…



『リクさんがいじめるから、璃愛、泣いてますよ!!(-_-メ)』

早々とさゆみが反撃してくれた。



『こら、リク!
ヅラちゃんをいじめたらあかんやろ!』

『ヅラちゃん、今度、リクにげんこつしとくから許したってな。
僕がシャッター押すタイミングが悪くて、ごめんな。』



あぁ、キースさん…本当に優しいな。



『私がタイミング悪かっただけです。
キースさんのせいじゃありませんよ。
でも、リクさんにはげんこつしといてくださいね。』



意地悪なリクさんに、私もちょっとだけ反撃してやった。
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