愛しのカレはV(ヴィジュアル)系




「ま、確かに多いっていえば多いよな。」

瑠威が明細を見て呟く。



「もらっといて良いのかな?」

「ま、藤堂さん、儲かってるみたいだし、法外っていうほどでもないし、良いんじゃないか?
なぁ、かおり?」

「そうね…お返ししなきゃならないほどの額ではないと思うわ。
その代わり、これからも一生懸命働きなさいよ。」

「うん、わかってる。」

良かった!
ママたちも認めてくれたから、もらっておいても大丈夫だよね。
本当に助かるよ!



「そういえば、あなた…藤堂さんのお家の片付けも頼まれたの?」

「うん。」

「瑠威…大丈夫かしら?」

「大丈夫って…藤堂さんが、望結を襲うとでも思ってるのか?」

「まさか、そんなことはないとは思うけど、いくら仕事とはいえ、若い娘が独身の男性の自宅に行くっていうのはどうかしら?」

ママがそう言うと、瑠威はくすっと笑った。



「かおりは心配性だな。
今までだって、ハウスキーパーの人は頼んでたんだろ?
周りの人はそんなこと、誰も気になんかしてないって。
そんなに気になるなら、なんかそれっぽい格好して行けば良いんじゃないか?」

「それっぽいって…?」

「だから…たとえば、割烹着に三角巾みたいな…」

そんなことを言って、瑠威は、けらけらと笑う。
なによ、まったくもうっ!
真面目に考えてよね!



「そう…やっぱり私はおばさんの考え方なのかしらね。」

「そんなことない。
かおりはおばさんなんかじゃない。
大人なんだよ。」

瑠威は、そう言って、ママの唇にねっとりと熱いキスをした。



おいおい…
見慣れたとはいえ、見てられない。
もうっ!少しは遠慮してほしいよね…
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