愛しのカレはV(ヴィジュアル)系
(あ……)



ペンダントと同じデザインで、小さいイヤリングがあった。
値段も安い。



「あ、おそろじゃん。
あんた、それ買えば?」

「えっ…そんなことしたら、キースさんにひかれちゃうよ。」

「そんなことないって。
それにさ、この大きさだとすぐには気付かれないよ。」

確かにイヤリングのは小さいし、髪に隠れるからよほど近くに来ないとバレないとは思うけど…



「やっぱりはずかしいからやめとく。」

「あんたねぇ、もっと積極的に行かなきゃだめだよ!
競争率高いんだから。」

「ううん。良い。」

デザインを気に入ったっていうのは本心だけど、やっぱりそこまでやっちゃやり過ぎだよね。



「じゃあ、とにかく買おうよ。
ラッピングは私に任せて。」

イヤリングは気に入ってたから心残りだったけど…
ま、いいや。
今日は、最初からプレゼントを買いに来たんだし、おそろいなんて、無理だよね。







「良いのが見つかってよかったね。」

「そうだね。じゃあ、次は機種変だね。」

「えっ!?機種変って…今日するの?」

「そうだよ。確か、あっちにショップがあったよね。
あ、その前に私トイレに行って来るから、あんたはここで待ってて。」

さゆみはそう言い残してトイレに向かった。
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