愛しのカレはV(ヴィジュアル)系




「いろいろあるんだねぇ…」

ショップには、たくさんのスマホがあって、こういうものに疎い私はどういうのが良いのか、まったくわからない。
しかも、スマホってかなり高い。
分割だし、いろんな割引があるから、実際にこれだけ全部払うわけじゃないけど…



「私…これにする。」

さゆみは、けっこうすぐに決断した。



「じゃあ、私も同じのにして良い?」

「なんで?」

「だって、同じだったら、使い方がわからない時に教えてもらえるから…」

スマホは初めてじゃないから大丈夫だとは思うけど…私はとにかくこういうものには弱いから。



「あ…そっか。そうだよね。
じゃあ、そうしようか。
私、このターコイズにするよ、あんたは?」

「じゃあ…私はピンクのやつにしようかな。」

手続きを済ませ、設定が出来るまで、私達はファミレスで晩御飯を食べることにした。



「実は…ね…」

オムライスを突きながら、さゆみが話し始めた。



「何?」

「あのスマホ…実はリクのとおそろなんだ。」

「えっ!?そうなの?
リクさん…黒いスマホじゃなかった?
ドラゴンのやつだよね?」

「あれはカバーだよ。
ボタンとかカメラの位置とかしっかり見てきたから、多分、間違いないと思うんだけど…」

「あ…ごめんね。
私も同じやつにしちゃって…言ってくれたら良かったのに…」

「良いんだよ。私も璃愛が同じ機種だと、わからなくなった時に助かるから。」

だから、さゆみは即決したんだね。
なんか、悪いことしちゃったな。
でも、もう今からじゃ、変えられないよね…
それにしても、スマホまでそんなにチェックしてるなんて…さゆみ、すごいよ。
愛の力ってやつだね!
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