愛しのカレはV(ヴィジュアル)系
「璃愛~!」

「あっ!」

ホールの前には列が出来てて、さゆみが前の方で手を振った。
今日のお客さんの半分…はいないけど、思ったよりも多くの人が並んでて、
さゆみの傍には、キラさんとハルさんもいた。
私は小走りでそこに合流した。



「璃愛、さっきはどうしたの?」

「あ…す、すみません。
なんだか急に恥ずかしくなって…その……」

「本当に璃愛は純情なんだからぁ…
あ、さっきの画像、綺麗に撮れてたよ。」

そう言いながら、キラさんはスマホをいじり、私の前にさっきのオルガさんと私の2ショットの画像を差し出した。



うわっ…私、顔、真っ赤じゃない。
思った通り、てかてかしてるし…恥ずかしい~!



「LINEで送るね。」

「あ、ありがとうございます。」

「なに、何?」

さゆみが横から顔をのぞかせた。



「う、うん、さっき、オルガさんと写真撮ってもらったんだ。」

「そうなの?良かったじゃん。」

「そ、そうだね…」

有名な人(?)と2ショットなんて撮ったの初めてだし、そりゃあ嬉しいのは嬉しいけど、どうせならちゃんとお化粧直しして撮りたかったなぁ…
とか、言いながら、ちらちらと何度も画像を見てしまう。
オルガさん…確かに格好良い。
やっぱり、なんか嬉しいな。

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