愛しのカレはV(ヴィジュアル)系




(……ん?)



電車の中で鳴ったLINEの着信音…



(あ…!)



来てたのは、ハイキング同好会あてのキースさんからのトークだった。



『ヅラちゃん、さゆみちゃん、昨日はプレゼントどうもありがとう。』

『こちらこそ、かばって下さってどうもありがとうございました。』

瞬く間に、さゆみからのトークが入った。



『さゆみちゃん、昨夜はすごかったなぁ。
びっくりしたわ。』

『引いちゃいましたか?ごめんなさい。』

『そんなことないで。
でも、リクには熱狂的なファンがおるから気付けてな。』

『はい、ありがとうございます。
でも、私、そんなことくらいでめげませんから。
あ、あの…プレゼント気に入っていただけましたか?』

『あ、ごめん。昨夜は明け方まで飲んで、泊めてもうたクロウさんの家でもまた飲んで…
今、帰るとこでまだ見てないんやわ。』

私も何か送ろうと思うのだけど、二人の打つスピードが早いから、なかなか入れない。



『そうなんですか。』

『ほんまにありがとうな。
あ、もうじき着くわ。そしたら、またな!』

キースさんがバイバイと手を振るにゃんこのスタンプを送って…



私は、結局、何も送れないまま、大学に着いた。


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