愛しのカレはV(ヴィジュアル)系




「ごめんね。あんたが返事しないから私ばっかり書いちゃって。」

「ううん、私、打つの遅いから…」

「でも、あんたも一言なにか送っといた方が良いんじゃない?」

「そうかな?」

「うん、そうだよ。
あ…そうだ、あのプレゼントはこの間のハイキングのお礼です…とかさ。」

「そう書くと、なんか、押し付けがましくない?」

「そうかなぁ??じゃあ、昨日はお会いできて嬉しかったです…とか。」

「え~…そんなの恥ずかしいよ。」

結局、なかなか送る言葉が決められなくて…そのうち、講義が始まり、送る機会がないままに、部活の時間になった。



「今日はバイトは良いの?」

「うん、今日は部活の気分だから。」

「そういえば、なんかひさしぶりだね。」

最近はバイトだったり、買い物だったりで、だいぶサボってた。
ひさしぶりの部活だ。



「ねぇ、今度、ヘッドドレスとか作ってみない?」

「いいね。刺繍とか入れたら可愛いよね。」

「じゃあ、早速、今から材料買いに行かない?」

「え?せっかく来たのに…終わってからでも」



(あ、でも、今夜は瑠威が話があるって言ってたっけ。
夕飯の支度もしなきゃいけないし…)



「そうだね。じゃあ、今から行こうよ。」
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