愛しのカレはV(ヴィジュアル)系
お風呂からあがってアイスを食べて…
その頃にはなんとなくさっきの気まずい雰囲気も和らいでいて、いつもと同じように他愛ない会話が出来た。



「そういえば、昨夜の打ち上げ豪勢だったね。
さゆみが、ステーキがすごくおいしかったって言ってたよ。
あれで2000円で足りてるの?」

「足りるわけないじゃないか。
最初はただでしようかって話してたんだけど、ただだとファンの子が却って気にするんじゃないかってことで、それで2000円だけもらうことにしたんだ。
あの店はクロウの知り合いか何からしくって、それで無理言ってあの日だけバイキング形式にしてもらったんだ。
なんでも、シェフはけっこう有名な人らしいぜ。」

「そ、そうなんだ…」

道理で、どれもこれもおいしいと思ったよ。
それにしてもクロウさんって…
一体、どういう人なんだろう??



「でも、ああいう打ち上げも良いな。
ファンの子と話をする機会なんてふだんはめったにないからな。
せいぜい、出待ちの時の一言二言話すだけだし、それもほぼ決まったメンバーだからな。
いろんな子から生の声が聞けて良かったよ。」

「みんなもすごく喜んでたよ。」

「そうか、それは良かった。
またそのうちやりたいな。
あ、俺とのツーショットは?」

「だから…後で送るってば!!」


本当にもう瑠威ってばしつこいんだから…
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