愛しのカレはV(ヴィジュアル)系
「あ!リクさん!一緒に写真撮ってもらえますか?」
さゆみがそう言って立ち上がった。
ヅラのことから話題を逸らそうとしてくれてのことなのか、たまたまだったのかはわからないけど…
「いいよ。」
「ありがとうございます!」
さゆみは、リクさんの傍に移動した。
リクさんは椅子から立ち上がった。
あ、リクさんってけっこう背が高いんだ…
高いヒールの靴を履いてるさゆみより、さらにずいぶん高い。
「さ…エ、エミリー!
私が撮ってあげるよ!」
「ありがとう。じゃ、よろしくね。」
私はさゆみのスマホを受け取り、構えた。
「じゃあ、撮ります。
はい、チーズ!」
さゆみは満面の笑みを浮かべてリクさんに寄り添い、リクさんはクールな表情で親指を立てたポーズをした。
お化粧してる顔も綺麗だけど、素顔は精悍な感じがしてこれまた格好良い。
不覚にもちょっと見とれてしまった。
「ありがとうございます。
あ、握手もお願いします。」
さゆみはリクさんと握手して、すごく嬉しそう…
「……ヅラ子はいいの?」
「え?」
今、ヅラ子って言った?
そ、それって、まさか……私のこと!?
ひ、ひどいっっ!!
私は泣きそうになるのをじっとこらえた。
「リク!あかんやろ!」
「何が?」
「だ~か~ら~…ごめんな。
こいつ、口悪いけど、気にせんとってな。」
無理、無理!
そんなこと言われたら、気にするに決まってるよ。
キースさんはやっぱり常識的な優しい人だ。
なのに、リクさんは素知らぬ顔してる。
いやな人…!
「せっかくだし、撮ってもらえば?」
さゆみが私の手からスマホをもぎ取り、リクさんの方へ背中を押した。
「え…で、でも……」
リクさんをふと見れば、おどけた顔でピースサインを出していた。
(なによ、リクさんったら本当に意地悪なんだから!)
心の中では深く傷ついていたけれど、けっこうですと言える勇気はないし、仕方なく、私はリクさんの横に立った。
「じゃあ、撮るよ。」
さゆみがそう言うと、リクさんが私の背中に腕を回した。
ただそれだけのことなのに、ドキッとして、思わず背中が波打った。
さゆみがそう言って立ち上がった。
ヅラのことから話題を逸らそうとしてくれてのことなのか、たまたまだったのかはわからないけど…
「いいよ。」
「ありがとうございます!」
さゆみは、リクさんの傍に移動した。
リクさんは椅子から立ち上がった。
あ、リクさんってけっこう背が高いんだ…
高いヒールの靴を履いてるさゆみより、さらにずいぶん高い。
「さ…エ、エミリー!
私が撮ってあげるよ!」
「ありがとう。じゃ、よろしくね。」
私はさゆみのスマホを受け取り、構えた。
「じゃあ、撮ります。
はい、チーズ!」
さゆみは満面の笑みを浮かべてリクさんに寄り添い、リクさんはクールな表情で親指を立てたポーズをした。
お化粧してる顔も綺麗だけど、素顔は精悍な感じがしてこれまた格好良い。
不覚にもちょっと見とれてしまった。
「ありがとうございます。
あ、握手もお願いします。」
さゆみはリクさんと握手して、すごく嬉しそう…
「……ヅラ子はいいの?」
「え?」
今、ヅラ子って言った?
そ、それって、まさか……私のこと!?
ひ、ひどいっっ!!
私は泣きそうになるのをじっとこらえた。
「リク!あかんやろ!」
「何が?」
「だ~か~ら~…ごめんな。
こいつ、口悪いけど、気にせんとってな。」
無理、無理!
そんなこと言われたら、気にするに決まってるよ。
キースさんはやっぱり常識的な優しい人だ。
なのに、リクさんは素知らぬ顔してる。
いやな人…!
「せっかくだし、撮ってもらえば?」
さゆみが私の手からスマホをもぎ取り、リクさんの方へ背中を押した。
「え…で、でも……」
リクさんをふと見れば、おどけた顔でピースサインを出していた。
(なによ、リクさんったら本当に意地悪なんだから!)
心の中では深く傷ついていたけれど、けっこうですと言える勇気はないし、仕方なく、私はリクさんの横に立った。
「じゃあ、撮るよ。」
さゆみがそう言うと、リクさんが私の背中に腕を回した。
ただそれだけのことなのに、ドキッとして、思わず背中が波打った。