愛しのカレはV(ヴィジュアル)系
(こりゃ大変だ!)



私はさゆみに電話をかけた。



「見た?」

「うん、見た。あれはまずいね。」

「まずいどころじゃないよ。
だから、あんたに何度もLINEしたり電話したけど、あんた全然出てくれないし。」

さゆみの口調は完全に怒ってる。
そりゃそうだよね…



「本当にごめん~!!」

「……もういいよ。
すっかり勘違いされちゃったけど…今更、それ逆です…なんて言えないよね。」

「うん、そうだね…キースさんもリクさんも気に入ってくれてるみたいだし、特に、キースさん、ブレスレットが好きらしいから…もう仕方ないよね。」

「うん、そう思って、返事したんだ。
残念だけど…仕方ないよ。」

アクセサリーのラッピングは違うものにしたらしいけど、紙袋は同じだったから、いつの間にか入れ替わってしまったのかもしれないね。



「あんたも後で何か送っとけば?」

「そうだね。うん、そうするよ。
あ…でも、そしたら、アクセサリー代、どうする?
さゆみ、リクさんにあげるから、はり込んだんでしょ?」

「いいよ。
キースさん、あんなに気に入ってくれたし。
瑠威なんて、今まで私があげたもの、身につけてくれたことないもん。」

「そ、そうなの??」

なんか気まずいな。
瑠威は、戸籍上は一応私のパパだから、謝らないといけない?
それとも、謝ったら却っておかしいかな?



(あ……)



そこで私は大切なことを思い出した。
五芒星のペンダントはキースさんにあげるはずだったから、さゆみは五芒星のイヤリングを私にプレゼントしてくれたんだ。
でも、ペンダントはリクさんの手に渡ったから、私がリクさんとおそろのイヤリングを持ってたらまずいよね!?
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