愛しのカレはV(ヴィジュアル)系
「あれ…そういえば、以前、リクさんはクロウさんやケインさんと…」

「そう。あの頃、俺がバイトしてた楽器屋にケインさんが来て…いろいろしゃべってるうちに、セッションしようかって話になって…
あの頃、シュバルツは活動停止中だっただろ?
それで、そんな話になったんだ。」

あ、そうだったね。
私は見たことないけど
瑠威が行方不明になってた頃、クロウさんとケインさんは何かバンドをしてたんだよね。
そうそう…それがCLOWNの前身なんだ。



「ん??クロウさんはベーシスト、ケインさんはドラマーですよね。
じゃあ、ギタリストはいたんですか?」

「あぁ…ただ、あんまり良い奴じゃなくて…
バンドのことでも、プライベートでもウマが合わなくて、結局、やめてった。」

「なんや、女癖がえらい悪かったとかゆうてたな。」

「まぁな…ギタリストって、自信家でやな奴多いよな!」

「僕はそんなんちゃうで!
見て!僕のこの純真な瞳…」

そう言って、キースさんは大袈裟に瞳を瞬かせる。
本当に、お茶目っていうのか、なんていうのか…



「じゃあ、キースさんはけっこう最近こっちに来られたんですか?」

「そうやねん。
東京は、関西人には住みにくい所やて聞いてたから、びくびくしてたんやで。
まぁ、確かにそうやなぁて思うところもあったけど、近所の人らもけっこう良い人やし、なんとゆうてもCLOWNのメンバーやらファンの子がええ子ばっかしやからな。
それで、ずいぶん救われてるわ。
ヅラちゃん達もこんな風に遊んでくれるし…ほんまにありがとうな。」

関西の人はフレンドリーな人が多いって聞くけど…
キースさん、こっちに来てまだ日が浅いんじゃ、余計にそうなのかもしれないね。
まだ関西での癖が抜けないから…だから、こんな風に気さくに私達をハイキングに誘ってくれるのかも…
< 240 / 366 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop