愛しのカレはＶ(ヴィジュアル)系

「まずいね…きっと、あの子達、CLOWNのこと知ってるんだよ。」

「どうかしたん？」

「ええ、実は…」

話しかけようとした時、なんと、二人が立ち上がって私達の席の方に歩き始めた。



（どうしよう！？）



さゆみと私は思わず顔を見合わせる。
きっと、さゆみも私と同じような気持ちなんだと思う。



「あの……」



二人はテーブルの傍に立ち、少し背の高い方の女の子が声を発した。
キースさんとリクさんもちょっと驚いたような顔をしている。



「CLOWNのキースさんとリクさんですよね？」

「……そうやで。知っててくれたなんて嬉しいわ。」

キースさんはそう言って無邪気な微笑みを浮かべた。



「あの…ストレートにお聞きしますが…この人達、キースさんとリクさんの彼女ですか？」



（うわっ！こわっ！本当にドストレートな質問だよ！）



「え？そんな風に見える？」

キースさん、うまく交わして笑ってるけど、内心は困ってるはずだよ。
私達とハイキングに言ってたなんて言ったら、きっとこの人達怒るよね？



どうしよう？
何か言った方が良い？
でも、なんて言えば…



（そうだ…！？）


その時、私の脳裏に良いアイディアが閃光のようにひらめいた。