愛しのカレはV(ヴィジュアル)系




(返事、まずかったのかなぁ…最初はお詫びから書くべきだったか…)



何分待っても、リクさんからの返事はなかった。



そのうち、最寄り駅に着いて、家路に着いた。



「おかえり、今日は楽しかったか?」

「うん、まぁね!
CLOWNはもちろん楽しかったけど、ロシアン・ルーレットもけっこう好きになったよ。
最初の方に出たバンドも割と良かったよ!」

瑠威の前では、わざと明るく話した。
今日のことは、やっぱり瑠威には話さない方が良いだろう。
話したら心配するだろうし、今日はシュバルツのメンバーは来てなかったから、話が漏れることもないよね。



「あぁ、暴れすぎて汗びっしょり。
お風呂入るね。」

「望結…お風呂からあがったら何か食べる?」

「う、うん。お腹すいちゃった。」

本当は食欲なかったけど…私が何も食べないと、おかしいって思われそうだから…



お風呂の中でもずっとリクさんのことが気になってた。

やっぱり怒ってるのかな?
すぐに返事しなかったからかな?



(もしかして…嫌われちゃったかな?)



お風呂から上がったら、ママがオムライスとサラダを作ってくれてた。
それを食べながら、ママや瑠威と他愛ない会話を交わして…
いつもの私を演じた。



本当は、食べたくなかったし、しゃべりたくもなかったし、笑いたくもなかったんだけど…
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