愛しのカレはV(ヴィジュアル)系




「おは…よう。
……望結、どうしたの?」

「どうしたって…何が?」

「目が赤いわよ。それに…なんだかげっそりして…」

さすがにママは鋭いな…



悔しいけど、昨夜は一睡も出来なかった。
いろんなことが頭の中をぐるぐる回ってて…何度も眠ろうとしたけど、眠れなかった。



会ってる時のリクさんのことを考えたら、あんな噂、デマだ!って思えるけど…
論理的に今までのことを考えてみたら、リクさんは限りなくクロに近い。



なんで、今までおかしいって思わなかったんだろう?



そうだ…私…浮かれてたから。
リクさんのことがだんだん好きになってきて、リクさんにも優しくされて、彼女さんになれたことで浮かれてたから、だから、気付かなかったんだね。
迂闊だったよ。



リクさんには女がいるって、だいぶ前にさゆみは言ってた。
それでも頑張るって。
ところが、リクさんが私と付き合いたいなんて言い出すから、なんとなくそのことも忘れてて…
リクさんが付き合いたいって言った時点で、そのことを思い出すべきだったよ。



でも、今更そんなこと言ったってどうにもならない…



私…どうしたら良いんだろう?
リクさんを信じたい気持ちはあるけど…疑ってる気持ちも同じくらいあって…
自分ではどうすれば良いのかわからない。



だけど、こんなこと、さゆみには相談できないし…



ママに話そうか…
でも、そしたら、今までのこと、全部話さないといけないし…



どうしよう…!?



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