愛しのカレはV(ヴィジュアル)系
「瑠威ね…今日も帰れそうにないんですって。」

「そうなんだ。」

「ママも帰りに少し様子を見に行って来るわ。
あ、私はちゃんと帰って来るから。」

「うん、わかった…」

朝はなにかと忙しいから相談なんて出来ない。
今夜、ママが帰って来てから相談しようかな…



「今日は、バイトは行くの?」

「うん、そのつもり。」

「……大丈夫なの?」

「うん、昨夜はちょっと夜更かししちゃったけど、全然大丈夫だから。」

「そう…気を付けてね。」

私は曖昧に笑って頷いた。







(元気出さなくっちゃ。)



ママが出かけてから、いつものように家事をこなして、大学に向かった。
電車に揺られてると、激しい睡魔に襲われる。
今頃眠くなってどうする!
私は、瞼に力を込めて、必死に睡魔に抗っていた。
その時、LINEの着信が入った。
さゆみからだった。



『おはよう。今日も頑張っていこうね。』



さゆみはいつも元気だな。
……うん、私も元気出さなきゃ。
暗い顔してたら、さゆみにおかしく思われちゃう。



(頑張るぞ!)



無理やりだけど、自分自身に気合いを入れた。
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