愛しのカレはV(ヴィジュアル)系
「実はな…リク、好きな女がいるらしいんだ…」

その衝撃的な言葉に、私は頭が噴火しそうになって、瑠威に背を向けたまま、冷たい水をごくごくと飲み干した。



「へぇ、でも、好きな人くらい、誰にだっているんじゃないの?」

心の中とは裏腹な言葉を発した。
本当はものすごく動揺してたのに…



「まぁ、それはそうだけど…なんか、事情がありそうだな。
あいつ、何か悩みがあるらしく、相談したいんだろうけど、言いかけてはやめ…言いかけてはやめして、なんかもうはっきりしなかったんだ。
こっちも酔ってるとはいえ、真剣に考えるつもりはあったのにさ。」

「そうなんだ…」

リクさん、一体、何を相談しようとしたんだろう?
リクさんがそんなに悩むことって一体……



「小西が見たって言うんだ…」

「え……?」

「リクの女…背が高くて、モデルみたいな美人だったって。」

鼓動がさらに激しくなり、目の前が急に暗くなった気がした。
背が高くて、モデルみたいな美人って…
それが私であるはずがない。



(じゃあ、やっぱり、リクさんには決まった人が…
ゴスロリの女の子達が言ったことは、本当だったの!?
私は…ただ、遊ばれていただけ?)



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