愛しのカレはV(ヴィジュアル)系
テーブルについたら、私の顔を見て、瑠威がゲラゲラ笑った。
ママがたしなめても瑠威の笑いは止まらない。
瑠威の馬鹿!無神経…!
……リクさんもそうだったよね。
かつらのことで、私を冷やかして、ヅラ子なんていやなあだ名を付けて…



笑う瑠威を無視して黙々とごはんを食べる。
全然おいしくないけど、食べないと心配かけるから、必死で食べる。



「望結…お風呂に入って、今夜は早く休みなさい。」

「うん、そうする。」



お風呂に入ったら、いつもみたいにうだうだしないですぐに部屋に向かった。



(……やだ。)



マンボウに罪はないけど、見ると苦しくなるからクローゼットにしまった。



リクさんのこと…さゆみに報告しようと思ってスマホを手に取ると、リクさんからデートの誘いが入ってた。
リクさんは私に何もかもバレてることも知らないから、いつも通りの内容だ。



『すみません。その日は都合が悪いです。』



それだけ送ったら、スマホの電源を切った。



ぶちまけててやりたかった。
私は、騙されたことにもう気付いてますって…
でも、やっぱり言えない…



言ったら、瑠威のことを話さなきゃならなくなるし、そもそも私にそんな勇気はないもの。



弱虫の私に自己嫌悪した…
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