愛しのカレはV(ヴィジュアル)系
「なんだ、ファンの子、自由参加の打ち上げだったのか…」

瑠威の厳しい表情がちょっと和らいだ。



「……どういうこと?」

今度は私が問いかけた。



「あ…あぁ、昨夜、クロウからCLOWNの打ち上げで飲んでて寝てしまったって…それだけしか聞いてなかったから…」



(……んん?どういうことだろう?)



よくわからなかったけど、とりあえず、それ以上訊くのはやめといた。
せっかく瑠威のご機嫌が直って来たことだし、つまらないことを言って、また怒らせたら困るから。



「そういうことかぁ…」

瑠威は小さな声でそう言って、頷く。



「それにしても、何杯飲んだんだ?
おまえ、酒なんか飲めないだろ?」

「うん…三杯…」

「何、飲んだんだ?」

「カシスソーダ…」

「はぁ?カシスソーダ三杯?
それだけなのか?」

「うん……」

「たったそれっぽっちで、爆睡??」

「う…ん……」

瑠威は呆れたような顔で、私をみつめる。
でも、それが真実なんだから、私には頷くことしか出来なかった。
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