愛しのカレはV(ヴィジュアル)系
「だから、戸籍上は、瑠威は私のパパなの…」

「そういうこと。」

リクさんは、まだ信じられないといった顔をしていた。



「このことは、シュバルツのメンバーとさゆみちゃんしか知らないことだ。
リクも絶対に漏らすなよ。」

「え?そ、そりゃあもちろん…でも、本当に本当なんですか?」

瑠威と私は同じタイミングで頷いた。




「じゃあ、この際、はっきり言いますけど…
瑠威さん、俺は望結のことを本気で愛してます。
これからも、望結と付き合わせて下さい。」

私、リクさんのことを誤解して、恨んだりしてたのに…今日はびんたもしようと思ってたのに、そんなこと、言ってくれるなんて…あぁ、罪悪感に押しつぶされそう…!



「……だめだ。」

「え…?」

私は一瞬耳を疑った。
瑠威…今、だめって言った!?



「バンドマンとの恋愛は許さない!」

「そ、そんな……」

「望結…そのことについては以前はっきり言ったはずだぞ。
バンドマンに本気になっちゃだめだって!
畜生!俺の大切な娘を傷ものにしやがって…」



(傷もの…って……ええっ??)



「瑠威さん、俺、まだ望結には手出してません!」

「嘘吐け!」

「本当だよ!もう、瑠威の馬鹿!エッチ!!」

瑠威が変なこと言うから、恥ずかしくて、顔が熱いよ。
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