愛しのカレはV(ヴィジュアル)系




「望結!お待たせ!」



駆けてきたリクさんは、長い髪をなびかせて…サングラスもマスクも付けてない。
ごく自然なスタイル…



リクさん、言ってくれたんだ。



「望結のことは、どんなことがあっても俺が絶対に護るから」って…



私はリクさんのことを信じる。



だから、もう何も怖くない。
ファンの子に少しくらいいじめられたって、へこたれないんだから!



「じゃあ、行こうか。」

リクさんの差し出した手に私の手を重ねる。
周りにはたくさんの人がいるけど、そんなこと、何も気にならない。



どんなことがあっても、きっとリクさんが護ってくれるから…



それに…今はまだ頼りない私だけど…私も絶対に強くなる!
リクさんを支えられる存在になれるように、頑張るつもり。
うん、きっとなれるよね。
なんたって、私には頼りになる、特別なパパとママがいるんだし…



「何?思い出し笑いなんかしちゃって。」

「へへっ…」

「なんだ?……おかしな奴!」

口ではそんなことを言っても、リクさんの瞳はとても優しい。



(……ついていくよ、これからもずっと。)



リクさんの横顔を見上げながら…心の中でそっと呟いた。




~fin.
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