愛しのカレはV(ヴィジュアル)系
(飽きたらポイ…?)



何か矛盾してるような気がする。
確かに、バンドマンにはそういうイメージがある。
だから、ママもきっと捨てられると思ってたし、だから、ママと瑠威のことは反対だった。
だけど、瑠威は私が思ってた以上にママにぞっこんだし、そんな心配はないと思ってたけど…
当のママはといえば、至って冷静な顔してる。



「あ…言っとくが、俺は特別だぞ。
自分で言うのもなんだけど、俺みたいに真面目で一途なバンドマンはまずいない。
どんなに性格の良い奴でも、女のことに関しては話が別なんだ。
それも当然だろ?すぐに手の届くところに、ご馳走を並べられて、しかも食べて、食べてってアピールされるんだぜ。
男なら食べちまうだろ。」

私は思わず頷いてしまって、そのことに自分でも驚いた。



でも…確かに瑠威の言うことはもっともだと思える。
そうだよね…そんな状況だったら、誰だってそうなるのかもしれない。
メンバーは若い男の子なんだもん。
そっか…瑠威はそんなことを心配してたんだね。
私が、バンドマンにのめりこんで、飽きたらポイ!されるんじゃないかって…



(もしかして、瑠威なりのパパ心…!?)



うざいような嬉しいような…
なんだかくすぐったい気持ちだった。
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