人間嫌いの小説家の嘘と本当
人間嫌いの男
チュン、チュン……。
窓から差し込まれる、温かな春の日差し。
そしてベランダに来たであろう、スズメの鳴き声。
いずれも、朝が来たことを私に知らせている。
起きなきゃ……仕事に、遅刻しちゃう。
あ……昨日、辞めたんだった。
だったら、二度寝しちゃえ。
「ん……」
寝返りを打って、ふとした違和感に眉を顰める。
あれ私のベッドって、こんなにフワフワしてたかな。
それに温かい。まるで人肌のよう――。
ん?人肌?!
驚いて、一気に覚醒して目を開ける。
すると飛び込んできたのは、裸の男の背中。
「ひぃ!!」