人間嫌いの小説家の嘘と本当
なに、ナニ、何?!何が私に起きてるの?
慌てて彼から距離をとり、ベッドの端に移動をする。
目を何度も瞬かせ、そして何度擦ってみても変わらない現実。
白髪で色白……私よりも、白くてキメ細かな肌。
痩せてるのに、程よく筋肉も付いていていい感じ。ちょっと羨ましいかも。
いやいや、そんなことはどうでも良くて。
真幸でもないし、この男は誰?
何で私、この人と一緒に寝ているの?
寝て……男女が一つベッドの中、ってことは――。
恐る恐る、布団を持ち上げ自分の体を確認する。
っ?!嘘。私、何もきてない。
もしかして……この人とヤッちゃった?
自分の思考に追い付けなくて、半ばパニック状態へと陥る。
「朝から、煩い奴だな……」
寝起きの所為か、少し掠れた声が聞えたかと思うと、私に向き合うように体を反転させた。
「う、わっ。いきなりこっち向かないでよ」