人間嫌いの小説家の嘘と本当

あれ?なんで、男の子って思ったんだろう。

月のような目を持つ男の子。
月の目……侑李?
満月のような瞳を持つ、淡青色の瞳の侑李。

彼のような瞳を持つ人に、人生で何人も会うことがあるだろうか。
だけど、もし侑李だったら運命かも。
次第に深い眠りに誘われ、その夢も消え真っ暗な闇だけになった。

どのくらい寝ていたのか。
周りが明るいと感じ、ゆっくりと瞼を開けた。

すると窓から見える夜空に浮かぶ満月が、視界に飛び込んできた。
寝ているうちに、いつの間にか夜になっていたようだ。

隣では、スヤスヤと寝息を立てる侑李の姿がある。
無防備で子供みたいな寝顔。
寝ている時は可愛いのに、なんで起きると捻くれた言い方をするのかな。

余程深い眠りについているのか、私の腰をHOLDしていた腕が少し緩んでいる。
この分なら少しぐらい動いても、目が覚めることは無いだろう。

私は何気に彼の腕を外し、窓辺に歩み寄る。


まるで侑李の瞳のような淡青色の大きな満月。
確か、こんなにも大きく見える月をスーパームーンって言うのだと聞いた事がある。

とても神秘的な力があるのだとか。


< 287 / 323 >

この作品をシェア

pagetop