人間嫌いの小説家の嘘と本当
「好きだ、愛してる」
侑李は唇が重なる寸前、そう呟いた。
一度しか言わないって言ってたのに、嘘つき。
でもこの嘘は嬉しい。また、いつか言って欲しいな。
「私も……んっ、好き……あい、してる」
キスの合間に言葉を紡ぐ。
けれどそれも惜しいと言わんばかりに、角度を変え段々と激しさを増していく。
私もそれに応えようと、彼の首に腕を回し唇に集中した。
暫くして唇が離れると侑李が私に跨り起き上がる。
そして荒々しく服を脱ぎ捨て、鍛えられた腹筋が月の明かりに照らされ露わになった。
普段白い肌がほんのりピンク色に上気し、いつになく大人の色香を漂わせている。
私は彼の胸に手を伸ばし求めた。
「侑李。抱いて」
「あぁ」
彼の瞳に炎が宿ったように熱く燃え滾る。
再び彼が覆いかぶさり、体中にキスを落としながら私の服を剥いでいく。
そしてお互いの名を呼びながら愛を囁き、隙間なく体を重ね合わせ、甘く激しい一夜が過ぎていった。