人間嫌いの小説家の嘘と本当
水色の星型をしたそれは、男の俺には可愛すぎて似合うはずもないけれど、不思議と外す気にもならなかった。
「あり、がと」
気恥しさも相まって、たどたどしくお礼を言う。
そんな俺に対し彼女は嬉しそうに「どういたしまして」と返した。
この子はきっと、両親から愛情をたっぷりと受けてるんだろうなと思える。
そうでなければこんなにも彼女の周りが、キラキラと輝いているようには見えないだろう。
俺には眩しすぎるくらいだ。
「送ってやる。行こう」
彼女に手を差し伸べ、モミジのような小さな手を握り森の入り口付近まで連れていく。
すると、少し離れたところからランプだろうか幾つもの光と、彼女の名前だと思われる名を呼びながら、探している人影を見付けた。
良かった。やっぱり彼女は両親に愛されているんだ。
「あ、お母さんだ」
そういうと、人影の方に駆けだした。