後ろの席はちびの速水くん
『奈々、明日部活終わったあと会える?』
そうLINEが来たのは、速水くんからだった。
『全然良いよ!』
速水くんから誘われたのは初めてだった。
あたしは基本、男友達と個人的に会うことは嫌いだった。
いくら友達とは言え、学校以外でそう簡単に会えないタイプ。
だけど速水くんは違ったんだ...。
それはなんでだか分かんない。
でもきっと...あたしは速水くんの事が好きなんだろうなって思った。
速水くんの一言でどきどきする。
遠慮なんかないし、言いたいことも言える。
それはきっと、速水くんも同じ何じゃないかなって。
あたしはどっちかと言うと、話しやすいタイプだと思うから。
あたしは速水くんが好き...。
速水くんと席が前後になって、司くんと気まづくなって、
そっから速水くんと更に仲良くなって、
速水くんは授業中、あたしの手を握った事があった。
だけどあたしはあえて気にしてなかった...。
って言ったらあれだけど、
速水くんにとってはそんな事、別に普通だと感じたから。
だから余計...辛かった。