後ろの席はちびの速水くん
卒業式が終わっても、もちろんあたし達はあと2週間普通に学校はあるわけで。
「行ってきまーす」
あたしはお家を出た。
そうだ、
いつもなら朝早くから駿くんがあたしのお家までわざわざ
迎えに来てくれて
一緒に行ってたんだった。
だけどもう、あたしはひとり。
寂しいな…。
空をじっと見上げてたら、突然後ろから
「奈々じゃん」
「あ...おはよう、」
振り返ったらそこには自転車に乗った司くんと速水くんがいた。
「おはよ。奈々の家ってここだったんだ」
そう司くんが言う。
「あ...まぁ、」
「なら今度遊びに行こうかなー」
「え!?」
「ばか、冗談だよ。な?夕陽」
「なんで俺に振る」
「はは、だよなー」
「2人は自転車でいつもここ通ってるの?」
「いや、今日は司がこっちの気分って言うもんだから」
速水くんは司くんを見ながらそう言った。
「案外こっちの方が近くね?」
「いやいやお前マジかよ」
「マジだよ」
「あっそ」
「あっそって酷いなー」
この2人って見てるだけで笑えるんだよね。
「水原さんひとりで学校行けんの?」
速水くんはあたしにそう言った。
「バカにしてます?」
「心配してやってんのに」
「あ、そうなんだ...」
「友達と行けば良いのに」
「うーん、そう考えたんだけど今はなんか、ひとりがいいなって」
「そっか。なら気をつけて学校来いよ」
「うん!!」
「また後でねー」
司くんはあたし手を振って、ふたりは学校方面に行ってしまった。
ふぁー、
今日も1日頑張りますかぁ。