夏の始まり





梅雨が明けて7月に入る頃。


私———東條仁美は川上美菜、新堂紗莉菜と学園一の美少女、月間葉菜と


4人でいつも通りの昼休みを送っていた。


私たち4人はイツメンってやつで。


お昼休みとか行事ごととかはいつも一緒だった。


美人だからとかいろいろな理由で友達になりたいとか仲良くなりたいとか


そういう子たちとは違って、私たち3人は葉菜を普通の女の子として


仲良くしてるし気も遣わずにふざけあってる。



いつも通りのテレビの話とか雑談して話が途切れたところで美菜が口を開いた。


「ねぇ、夏休み4人でどっか旅行行かない?」


「いいね!いこうよ」


「せっかくだしどこか遠出する?」


「あたし、海あるところいきたい!」



いい感じに盛り上がってきたところでチャイムが鳴る。


「あ~予鈴だ。また決めよ」


もちろん、エリート校なので授業もちゃんとしているし


本鈴が鳴るころには背筋を伸ばして座っていなくてはならない。


初等部からだから私たちは慣れているけれど。






このときはまだ全然気づいてもなかった。


葉菜が悲しそうな眼で会話していたことに———



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