午後の授業が終わって放課後。


私たち4人は帰る方向が同じだから一緒に帰っている。


帰り道、昼休みの続きを話していた。


大体予定は決まった。


夏休みの後半。(前半に課題を終わらせることになっている)


場所は県外のビーチ。近くのホテルを予約する。


世間からしたら義務教育中の中学生だけど帝学なら県をひとつかふたつ超えるくらいなら


子供だけで出かけて良いことになっている。


(学校に申請して学校が予約からすべて請け負うけど)


だから完全に安全な旅行ができるってわけ。






———予定が決まって親に話し学校に申請しから、あまり旅行の話はなく、いままでどおりの会話に戻る。


「で、どうなのよ仁美。俊哉すきなんでしょ?」


「ふぇ!?」


美菜はいつも唐突すぎて…思わずアホな声出しちゃったよ。


最近は旅行の話に夢中だったから忘れてたけど恋バナしてたんだった。


山月俊哉———私の好きな人。


特別格好いいというわけではないけど(部類としてはイケメン)


愛想が良くてノリとか優しさとか。そういうの全部兼ね備えてる。モテる。


「なんもないよ、永遠の片想いだし」


向こうはただの友達としか思ってないからね


葉菜のことが絶対好きだからね、勝てっこないよ。


「仁美。だけじゃなくてみんな…私これだけはみんなに嘘ついてた


私も俊哉が好き。付き合いたいとかそんな風に思ったこともあったけど。


仁美には勝てっこないよ。俊哉、仁美としゃべってるときは全然違う顔してる」


”だからもう諦めてる”


葉菜からそんな言葉が出てくるとは思ってなかった。


でも、俊哉は絶対葉菜のことが好き


私が好きなんてこと、あるわけない




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