シークレットポイズン
お開きになって、帰宅する頃にはLINEの通知が一件。律儀すぎる後輩からのものだった。

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お疲れ様です。
今日はありがとうございました。
ケーキバイキングも誘っていただきありがとうございます。友達に聞いたら、行ってこいって言われたので良ければ参加したいです。よろしくお願いします。

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わざわざありがとう(*^^*)
今日はお疲れ様でした。もうちゃんと帰れたかな?
ケーキバイキング行けるみたいで良かった!友達さんの方は大丈夫なのかな?
でもとりあえずは深山さんにも伝えておくね。

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友達の方は、長期の休みの時に来てくれるみたいなので大丈夫です。
ちゃんと帰ってますよ。この前みたいなヘマはしません。笑(藤澤は4月の歓迎会の帰りに電車で寝過ごし、タクシーで自宅まで帰ることになったという残念な過去を持つ)

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良かった良かった!笑
ではまた職場で。
今日はゆっくり休んでねε-(´∀`; )

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ありがとうございます。東さんも風邪、早く治してください。
おやすみなさい。

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その通知にスタンプで返した。本当に呆れるくらい風邪が治らない自分に嫌気がさすが、その文面にはさすがにほっこりとした気持ちになる。

「…マメな人だなぁ、ほんと。」

ベットにバフンと飛び込んで、もう一度そのやりとりを見つめると、なんだかむず痒い。

(そういや深山さん以外の男の人とLINEするのすごーく久しぶりかも。)

そういえば恋愛なんてどれだけ休んでいたのだろうと。付き合ったことがないわけではない。しかし恋愛なんて思い出したくもない記憶そのものでもある。

(あーいやー…ないない。ときめきとかでは断じてないし。職場恋愛とか絶対嫌だ。)

恋愛なんてもうしたくない。仕事以外で傷付くと、リカバーできない自分がいるのだから。
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