シークレットポイズン
「…気持ちいい!」
「あ、東さんもそう思った?俺も思った。」
深山が風を浴びて美樹の目の前に立っていた。それぞれの職員が思い思いに様々な場所に立って夜景を楽しんでいる。
「深山さーん!あっちスカイツリー見えますよ。」
「あ、ほんとだ。」
藤澤が深山を呼び、深山が藤澤の方に行ってしまうとその場に残されたのは、この職場一美人な小川だった。小柄で色白で、目が大きい。まるで少女漫画のような人だ。
「美樹さん、お話しようよ。」
「はいっ!喜んで。」
美樹の方が年下であるが、何故か「さん付け」で呼ばれてしまう。
美樹は小川の隣に座った。夜風が美樹の長い髪で遊ぶ。
「恋バナしよ!美樹さん、どうしても深山くんとは付き合わないの?」
「…恋バナというか、小川先生、結婚されてるじゃないですか。これ、恋バナするの私ですよね…。」
「だって好きなんだもん、そういう話!それに深山くんと美樹さん、どうなのかなーって。」
「…よく言われますけど、…深山さんも私もそういうのじゃないと思ってますけど。」
「深山くんのどこが嫌?」
「いや、深山さんのどこが嫌とかじゃなくて、…我々は戦友なんで。」
自分と深山は戦友だ。どんなに苦しい状況も、互いに愚痴をこぼしたりアドバイスをすることによって乗り越えてきた。この学校に赴任して2年と3か月が何事もなくとは言えないが、途中で辞めずに続けることができたのは深山がいてくれたから以外に有り得ない。だからこそ、これは恋愛じゃないと思っている。恋愛では、ない。
「なーんの話、してるんですか。」
「…うわ。」
「藤澤くん。」
美樹の隣にストンと腰を下ろしたのは藤澤だ。藤澤の隣には深山がいる。
「恋バナだよ恋バナ!藤澤くんの好きなタイプってどんな子?」
(うわー…32歳でもこんなに可愛くぶっこめるなんて…さすが小川先生は女子力の塊…。)
「…タイプ、ですか。難しいですね。べたですけど、好きになった子がタイプっていうか…あんまり系統性はないかもしれません。」
「そうなんだ!深山くんは?」
「優しい人。」
「即答!」
「あの、…ちょっと聞いてもいいですか?」
「もちろん!」
笑顔の小川に、藤澤がいつもよりも少し真剣な顔を向けた。
「あ、東さんもそう思った?俺も思った。」
深山が風を浴びて美樹の目の前に立っていた。それぞれの職員が思い思いに様々な場所に立って夜景を楽しんでいる。
「深山さーん!あっちスカイツリー見えますよ。」
「あ、ほんとだ。」
藤澤が深山を呼び、深山が藤澤の方に行ってしまうとその場に残されたのは、この職場一美人な小川だった。小柄で色白で、目が大きい。まるで少女漫画のような人だ。
「美樹さん、お話しようよ。」
「はいっ!喜んで。」
美樹の方が年下であるが、何故か「さん付け」で呼ばれてしまう。
美樹は小川の隣に座った。夜風が美樹の長い髪で遊ぶ。
「恋バナしよ!美樹さん、どうしても深山くんとは付き合わないの?」
「…恋バナというか、小川先生、結婚されてるじゃないですか。これ、恋バナするの私ですよね…。」
「だって好きなんだもん、そういう話!それに深山くんと美樹さん、どうなのかなーって。」
「…よく言われますけど、…深山さんも私もそういうのじゃないと思ってますけど。」
「深山くんのどこが嫌?」
「いや、深山さんのどこが嫌とかじゃなくて、…我々は戦友なんで。」
自分と深山は戦友だ。どんなに苦しい状況も、互いに愚痴をこぼしたりアドバイスをすることによって乗り越えてきた。この学校に赴任して2年と3か月が何事もなくとは言えないが、途中で辞めずに続けることができたのは深山がいてくれたから以外に有り得ない。だからこそ、これは恋愛じゃないと思っている。恋愛では、ない。
「なーんの話、してるんですか。」
「…うわ。」
「藤澤くん。」
美樹の隣にストンと腰を下ろしたのは藤澤だ。藤澤の隣には深山がいる。
「恋バナだよ恋バナ!藤澤くんの好きなタイプってどんな子?」
(うわー…32歳でもこんなに可愛くぶっこめるなんて…さすが小川先生は女子力の塊…。)
「…タイプ、ですか。難しいですね。べたですけど、好きになった子がタイプっていうか…あんまり系統性はないかもしれません。」
「そうなんだ!深山くんは?」
「優しい人。」
「即答!」
「あの、…ちょっと聞いてもいいですか?」
「もちろん!」
笑顔の小川に、藤澤がいつもよりも少し真剣な顔を向けた。