シークレットポイズン
話しかけにくい先輩でごめんなさい
「お疲れ様ー!」
若手の職員で運動会に向けて頑張る会が開かれている。企画は深山と美樹だ。
「ところで藤澤さん、仕事はやりやすい?大丈夫?」
話を振ったのは美樹の3年先輩の西嶋だった。仕事ができ、かつスマートな西嶋は美樹の憧れだ。
「はい。少し慣れてきました。」
「困ってることとか、ない?」
透き通る柔らかい声に、藤澤は一瞬視線を泳がせた。
「いや、あの…困ってることではないんですが…」
「え?」
藤澤の目が美樹を見ている。
(…ん?待て。私何かやらかした?)
「手伝えること、ないかなって。」
「あ、もしかして私のこと!?」
藤澤が美樹を見つめた意味と、藤澤が口にした言葉が一つに繋がった。
「あー東さんのせいじゃん。」
「えっ!?あー私のせいか…ごめん、話しかけにくかったよね?」
「いや、まぁ…はい。」
否定しようか肯定しようか迷った挙句、素直に認めることしたようだ。藤澤の申し訳なさそうな目がまたしても美樹を見つめた。こうなったらいつもみたいに明るいキャラでどうにかするしかない。
「うわ、ほんとごめんね!私にゆとりが全然なくて…てか風邪が長引いてて…いやでもほんと理由になってないね、ごめんなさい。」
「いや、謝っていただくようなことじゃないです。むしろ僕が色々気付けないんで…。」
「初任の子が気付くなんて無理だって。」
深山が口添えした。まさにその通りだと思う。美樹だって全く同じことを思った。
「でも東さん、初めてだもんね安全。」
「いや〜正直ここまで重いとは…。」
「あ、じゃあ教科書あげようか。」
「教科書はいらないです〜。」
西嶋は教科書を担当している。教科書はとても面倒臭そうだ。受け取り数の確認など、西嶋はさらっとこなしているが美樹にはとても無理だ。
「東さんならできると思うけど。」
「あっはははー、芹田先生、また適当なことを。」
芹田は美樹の5つ上の先輩だ。高飛車な物言いと、適当な態度が美樹は気に入らない。
若手の職員で運動会に向けて頑張る会が開かれている。企画は深山と美樹だ。
「ところで藤澤さん、仕事はやりやすい?大丈夫?」
話を振ったのは美樹の3年先輩の西嶋だった。仕事ができ、かつスマートな西嶋は美樹の憧れだ。
「はい。少し慣れてきました。」
「困ってることとか、ない?」
透き通る柔らかい声に、藤澤は一瞬視線を泳がせた。
「いや、あの…困ってることではないんですが…」
「え?」
藤澤の目が美樹を見ている。
(…ん?待て。私何かやらかした?)
「手伝えること、ないかなって。」
「あ、もしかして私のこと!?」
藤澤が美樹を見つめた意味と、藤澤が口にした言葉が一つに繋がった。
「あー東さんのせいじゃん。」
「えっ!?あー私のせいか…ごめん、話しかけにくかったよね?」
「いや、まぁ…はい。」
否定しようか肯定しようか迷った挙句、素直に認めることしたようだ。藤澤の申し訳なさそうな目がまたしても美樹を見つめた。こうなったらいつもみたいに明るいキャラでどうにかするしかない。
「うわ、ほんとごめんね!私にゆとりが全然なくて…てか風邪が長引いてて…いやでもほんと理由になってないね、ごめんなさい。」
「いや、謝っていただくようなことじゃないです。むしろ僕が色々気付けないんで…。」
「初任の子が気付くなんて無理だって。」
深山が口添えした。まさにその通りだと思う。美樹だって全く同じことを思った。
「でも東さん、初めてだもんね安全。」
「いや〜正直ここまで重いとは…。」
「あ、じゃあ教科書あげようか。」
「教科書はいらないです〜。」
西嶋は教科書を担当している。教科書はとても面倒臭そうだ。受け取り数の確認など、西嶋はさらっとこなしているが美樹にはとても無理だ。
「東さんならできると思うけど。」
「あっはははー、芹田先生、また適当なことを。」
芹田は美樹の5つ上の先輩だ。高飛車な物言いと、適当な態度が美樹は気に入らない。