好きらしいんだけど。
~奈々side~
急に手を握られ屋上まで走り出す。
みんなの声なんて無視をして二人の世界。
初めて握った結汰くんの手。
細くてスラッと長い指で、でも私より大きくて
少しゴツゴツしている感じ。
男の人っていうのを感じられる。
走りながら目があった。
あっ…
恥ずかしくて目を逸らしちゃったけど
手をぎゅってにぎると結汰くんも照れてる…
かわいい…
やっぱ男の人足速いなぁ…
手をつないで結汰くんと一緒に走れたことさえも
嬉しくてしんどさなんてどうでもいい。
二人でフェンスにもたれかかって
少し気まずい空気が走る。
結汰くんは本当に私なんかで良かったのかな。
どうして私なんだろう。
私のどこを好きになってくれたのかな。
聞いてみようかな。
すると結汰くんが
「最終確認してい?本当に俺でいいの?」
私と同じことおもってるんだ。
にやけちゃう。
全然年下にみえないけどクールなくせに
照れ屋な結汰くんがとても可愛く思えちゃう。
少しいじめたくなっちゃうなぁ。
って私は変態か!
「結汰くん。本当にありがとう。これからよろしくお願いしますっ」
チュッ
やばい勢いでほっぺにちゅうしちゃった。
いきなりすぎだよね?
やっぱいじわるしたくなっちゃう。
ほらだって結汰くんびっくりして顔真っ赤だもん。
かわいすぎる。