好きらしいんだけど。

夢の中で声が響いたと思ったけど、
すぐに現実だとわかり目が覚めた。


深く被っていた帽子を少しだけあげて
眩しさで目を細めたまま上を見上げてみると



「すいませんなんかうちの子と仲良くなっちゃったみたいで…」



気まずそうに微笑む天使だった。

俺は寝ているところをみられて少しだけ
恥ずかしくって座ってまた帽子を深く被った。




「あ、俺こそ放しちゃっててすいません」

「いえ!3人で仲良くあそんじゃってました!」


照れくさそうにしている彼女をみると
胸が熱くなった。なんなんだこれ。



「ポメラニアン可愛いですよね」


無邪気な笑顔でそういう彼女は
本当に犬が好きなんだろうなって感じた。


そういわれてみると
お互いポメラニアンを連れていた。



…いやあなたのほうが可愛い



心の中でそう思っていた。


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