mariage
…それでも、秀吾は起きる気配もない。

仕事が忙しいのだろう。

家にいる時くらいは、安らげる。

…その安らぎの時間を邪魔するわけにはいかない気がした。

…傍にいちゃ行けない気がした。

だから、サッと着替えとメイクを済ませ、私は秀吾の部屋を出て行った。

こんな私では、秀吾を幸せにしてあげる事もできない。

…私もやっぱり幸せになりたい。

愛し愛される関係でいたい。

だから、私は、この結婚は破談にするべきだと思った。

…自宅に帰った私は、父の携帯に電話した。

この結婚は、何が何でも受け入れられないと。

…電話を切った私は、なんだかとても疲れていた。

ベッドに沈み込むように寝転がると、間もなくして睡魔に襲われた。

…さぁ、私はこれからどうすればいいんだろう。

そうは思っても、今は眠気に阻まれて、何も考えられなかった。
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