mariage
促されるまま、ソファーに座ると、社長に問いかける。

「話とはなんですか?社長」
「…今から話す事は、決定事項だから、よく聞くんだ」

…ただならぬ空気に息を呑む。

「今日、鮫島君が来たのはもちろん知ってるな」
「…はい」

「今日、その鮫島君に、琴乃との縁談を持ち掛けた」

え、縁談⁈

驚き過ぎて、言葉も出ない。

「鮫島君は、快諾してくれた」
「エッ、ちょっと、待って。私の気持ちは?」

やっと紡ぎ出した言葉。

「…さっき言ったが、これは決定事項だ。琴乃は鮫島君とただ結婚して、普通の結婚生活を送ればいい」

「そ、そんな」

秀吾が好きだ。

でも、秀吾は?彼は何故私との結婚を決めてしまったの?
< 4 / 85 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop