mariage
…それから、秀吾は私が書いた婚姻届を直ぐに提出した。

そして、私をマンションに連れ帰り、その夜も、私を抱き締めて眠った。

…毎晩毎晩、秀吾は私を抱き締めて眠る。

時々眠れない私は、秀吾の寝顔を見ていた。

とても穏やかな寝顔に、どうしてこんなにも穏やかな寝顔が出来るんだろうと思った。

そんな日が幾日も過ぎ、等々結婚式の日を迎えた。ウエディングドレスに着替える為、控え室に向かった私は、ドアを開けた瞬間、目を見開いた。

「…これは」

…これは、私が選んだシンプルなドレスでは無かった。

…私が見たドレスの写真の中に、こんなに煌びやかなウエディングドレスは写って無かった。

沢山並んだウエディングドレス達の中にも、これは無かった。




「…鮫島様より、サプライズのプレゼントです」
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