mariage
一気にまくし立てられ、返事をする事も出来なくて、キョトンとしたまま。

すると、秀吾は苛立った顔つきに。

…何時ものように萎縮してしまう。

「…悪い。…琴乃を脅えさせるつもりは無かった」
「…」

抱き締めた秀吾は私に優しい声色で言う。

「…とにかく、今言った事は、必ず守れ、いいな?」

「…はい」

小さな声でそう言って頷くと、秀吾は少し安心したような顔をした。

「行ってらっしゃい」
「…あぁ」

私の頭にキスを落とすと、秀吾は仕事に向かった。

…それからは、部屋の掃除をしたり、家の中の家事を一つずつこなしていく。

…その中でも、秀吾の朝の言葉が気にかかる。

なぜ、あんな事を言ったのか。
何をそんなに、不安がっているのか?

その時だった。突然のインターホンに体がビクッとなった。
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