mariage
少しばかり、私を認めてくれたのか、書類の整理をしている私に、他の仕事も任してくれるようになった。
社内に書類を持って行く時も、私を連れて行ってくれた。各部署がどこにあるのか、教えてくれた。
…大路はとてもとっつきにくい人だが、冷たい人じゃないなと、思った。
「…琴乃さん?」
「…」
営業部に来た私は、顔色を変え、一点を見つめたまま、返事をしない。
「どうしたんですか?顔色が悪いですよ」
「…あの人」
「え?」
「営業部長と話をしている、女性は誰ですか?」
少し震えた声で、大路に問う。
大路もそちらに視線を移すと、あぁと、言いながら、答えてくれた。
「統括部長の、三浦玲子(みうられいこ)さんですよ。ご存知なんですか?」
「…いえ、知りません。ただ、綺麗な方だなあと…」
社内に書類を持って行く時も、私を連れて行ってくれた。各部署がどこにあるのか、教えてくれた。
…大路はとてもとっつきにくい人だが、冷たい人じゃないなと、思った。
「…琴乃さん?」
「…」
営業部に来た私は、顔色を変え、一点を見つめたまま、返事をしない。
「どうしたんですか?顔色が悪いですよ」
「…あの人」
「え?」
「営業部長と話をしている、女性は誰ですか?」
少し震えた声で、大路に問う。
大路もそちらに視線を移すと、あぁと、言いながら、答えてくれた。
「統括部長の、三浦玲子(みうられいこ)さんですよ。ご存知なんですか?」
「…いえ、知りません。ただ、綺麗な方だなあと…」