mariage
…会社はどうしようかな。

休んじゃおうかな。…なんて、考えてみるも、大路からやっと得た信頼を失いかねない。

それは嫌だった。…でも、別れるなら、もうあの会社に行く必要がなくなると思うと、どうでもよくなってしまう。

そんな時だった。

突然の着信。相手は知らない携帯番号。

出ようかどうか迷いつつ、それに出た。

「…もしもし?」
『…おはようございます。大路です』

電話の相手がまさか大路だと思わなかった私は驚きを隠せない。

『突然電話してすみません。琴乃さんの番号を、社長から聞きました。社長より、ご自宅の方に迎えに行くように言われたので、準備が出来たら外に出て来てください』

…秀吾が⁈…なんで、私がいる場所を知ってるの?

「…行きません…今日は体調が悪いので、会社はお休みします」

『…社長が、琴乃さんがどんな言い訳をしても聞くなと言われています。出てくるまで待ってますので、それでは』

…切られてしまった。
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