mariage
6.愛はすぐそばに
…それからは、穏やかな日々が続いた。

やっと晴れて、本当の夫婦になれた気がした。

仕事は相変わらず、秀吾の第2秘書として、働いていた。

そんな中、一つの変化が起こっていた。

「…琴乃、顔色が優れないようだが?」
「…そうですか?」

秀吾の言葉に曖昧な返事をする。でも、そんな事は分かってしまうような顔をして、私を覗き込む。

「…何を隠してる」
「…何も」

「…お前はどうも、嘘がつけないみたいだからな」

そう言ってクスッと笑う。

私は思わず頬に手を当てた。…嘘をつくと無意識に顔に出るらしい。

「…あの」
「うん」

「…午後から、お休みをいただきたいのですが」
「…具合が悪いのか?」

「…そうじゃなくて…えっと」

勿体振ると、秀吾は少し怒ったような表情を浮かべた。
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